検索上位や広告だけで決めてしまう前に知っておきたいこと
ホームページ制作会社を探そうと思い、Googleで検索すると、最初に目に入るのはスポンサー表示(広告)や、デザインの整ったサービスサイトではないでしょうか。
洗練されたキャッチコピーや美しいビジュアルを見ると、「ここなら安心そう」と感じてしまうのも自然なことです。
ただ、検索結果で上位に表示されていることと、安心して任せられる制作会社かどうかは、必ずしも同じではありません。
この記事では、特定の会社を評価したり、否定したりすることを目的とせず、
ホームページ制作会社を選ぶときに、冷静に確認しておきたい判断基準を整理します。
Google検索の上位=安心、ではない理由
Google検索で上位に表示される理由は、大きく分けて2つあります。
一つは、SEO対策などによって自然検索で評価されているケース。
もう一つは、Google広告を使ってスポンサー枠として表示されているケースです。
広告で表示されていること自体が悪いわけではありませんし、多くの企業が活用しています。
ただし、広告表示=信頼性の証明ではないという点は、切り分けて考える必要があります。
実際には、運営会社の情報が分かりにくかったり、契約条件や責任範囲が読み取れなかったりするサービスが、広告枠に表示されていることもあります。
「よく見かけるから安心そう」という印象だけで判断してしまうと、あとから不安やトラブルにつながることもあります。
見た目が整っている=中身も安心、とは限らない
ホームページのデザインやキャッチコピーは、比較的短期間でも作ることができます。
そのため、第一印象が良いことと、運営体制や制作後の対応が整っていることは、必ずしも一致しません。
契約後に、
- 誰とやり取りをするのか分からない
- 修正や相談がしづらい
- 想定していたサポート内容と違った
といったズレが生じるケースも、珍しい話ではありません。
だからこそ、見た目だけでなく、中身が見える情報がきちんと用意されているかを確認することが大切です。
制作会社を選ぶときに最低限確認したいポイント
まず確認しておきたいのは、
運営者や会社情報が、分かりやすく書かれているかという点です。
法人名、所在地、連絡先などが、探さなくても見つかる場所に記載されているか。
そして、誰が責任を持ってサービスを提供しているのかが、文章として読み取れるかどうかは、とても重要な判断材料になります。
法律的に求められるページが用意されているか
あわせて、法律やルール上、設置が求められるページがきちんと用意されているかも確認しておきたいところです。
- プライバシーポリシー
- 利用規約
- 特定商取引法表記(該当する場合)
これらがないからといって、
すぐに危険なサイトだと決めつける必要はありません。
ただし、判断するための情報が不足している状態であることは確かです。
各ページが必要かどうかは事業形態によって変わりますが、根拠となる公的情報を確認したい方のために、代表的なリンクをまとめておきます。特定商取引法の「通信販売」に該当する場合は表示義務があり、消費者庁の解説ページでも表示事項が整理されています。 特定商取引に関する法律
個人情報の取扱いについては、個人情報保護法で、利用目的や問い合わせ窓口等を本人が確認できる形で示すことが求められる場面があります。実務上の考え方は個人情報保護委員会のQ&Aが参考になります。 個人情報の保護に関する法律
箇条書きの「リンク集」
- 特定商取引法(法令本文|e-Gov)
- 通信販売の表示事項(解説|消費者庁 特定商取引法ガイド)
- 個人情報保護法(法令本文|e-Gov)
- 個人情報保護法ガイドラインQ&A(実務の考え方|個人情報保護委員会)
特定商取引法の表記は、ネット上で申込みや決済が発生する取引形態などで重要になり、プライバシーポリシーは個人情報の取扱いを利用者が確認できる状態にするための基本情報として位置づけられます。 特定商取引法の規制対象となる「通信販売」
Cookie同意は必要なのか?
最近よく見かける「Cookieの利用に同意しますか?」という表示についても、気になる方は多いかもしれません。
結論から言うと、Cookie同意は、すべてのサイトで必須というわけではありません。
たとえば、
- アクセス解析など、匿名の統計情報だけを扱っている場合
- 個人を特定する情報を取得していない場合
このようなケースでは、必ずしもポップアップでの同意取得が必要とは限りません。
一方で、
- 広告配信
- 行動履歴を使ったマーケティング
- 外部サービスとの連携が多いサイト
こうした場合には、Cookieの利用について分かりやすく説明し、同意を求める配慮が必要になります。
重要なのは「あるか・ないか」より、説明されているか
Cookie同意の表示があるかどうか以上に大切なのは、
- 何のために、どんな情報を使っているのか
- それがどこに書かれているか
- ユーザーが確認できる状態になっているか
という点です。
プライバシーポリシーを読むと、そのサイトや制作会社が、利用者の情報をどう扱おうとしているかが見えてきます。
最低限確認したい、という意味
ここで挙げている内容は、「ここまで完璧なら安心」という基準ではありません。
あくまで、
- 判断するための材料が揃っているか
- 不安になりそうな点を、先回りして説明しているか
その最低限の姿勢を確認するためのポイントです。
情報が開示され、説明が用意されているだけでも、安心して比較できる状態に一歩近づきます。
PageSpeed Insightsで見える、もう一つの判断軸
制作会社選びの参考として、知っておくと便利なのが PageSpeed Insights というGoogleの無料ツールです。
URLを入力するだけで、ページの表示速度や安定性などを、数値として確認できます。
デザインの好みとは別に、客観的な指標を見られる点が特徴です。
もちろん、スコアが高ければ必ず良い制作会社、という単純な話ではありません。
ただ、見た目では分からない部分を確かめる一つの材料にはなります。
広告経由のURLと通常URLの違いについて
広告経由のURLを計測した例
トップページURLを直接計測した例
PageSpeed Insightsの結果画面では、数値が赤字になったり、警告のように見える表示が出ることがあります。
ただし、これは「危険なサイト」「ダメな制作会社」という意味ではありません。Googleが定めた“快適さの目安”に対して、今回の測定では少し届いていない項目があるというサインです。
左の例は、検索結果のスポンサー表示(広告)から開いたページを測定したケースです。
広告経由の場合、ページにたどり着くまでに「計測のための寄り道」が挟まることがあります。
たとえば、どの広告から来たかを記録するために、いったん別の場所を通ってから目的のページに移動するイメージです。
その分、表示開始までの時間が少し増え、FCP(最初に何かが表示されるまで)やLCP(画面内で一番大きい表示が出るまで)が遅く計測されることがあります。
右の例は、当サイトのトップページURLを直接測定した結果です。
寄り道がない状態で測れるため、サイト本体の状態が数値に反映されやすくなります。
スコアは「合否」ではなく、見方を知るための目安
PageSpeed Insightsは、点数の高低で勝ち負けを決めるツールではありません。
目安として、一般的には次のように見られることが多いです。
- 90〜100:かなり良好(改善余地は少なめ)
- 50〜89:改善の余地あり(よくある普通の範囲)
- 0〜49:優先して見直したい(原因を確認する価値が高い)
ここで大切なのは、点数そのものより、「なぜこの点数なのか」が読み取れることです。
例:当サイトの「ユーザー補助 87点」は、読みやすさの評価
当サイトの測定結果では、ユーザー補助(アクセシビリティ)が87点になっています。
これは危険という意味ではなく、主に読みやすさの面で改善余地があるという評価です。
私のサイトのトップページはデザインを優先していて、背景色と文字色の差(コントラスト)をあえて柔らかくしています。
その結果、環境によっては文字が少し読みにくく感じる方も出るため、このツールでは「読みやすさの観点では満点ではない」と判断します。
こういうふうに、スコアを見ると「どんな理由で点数が付いたのか」が、なんとなく見えてきます。
PageSpeed Insightsは、Googleを利用するユーザーを一番に考え、サイトや記事の安全面、利便性、表示スピードなど数値化するためのツールです。
PageSpeed Insightsで測定してみよう
ここまで読んでいただいた内容は、実際に測ってみると、より分かりやすくなります。
PageSpeed Insightsは、誰でも無料で使えるツールです。
気になった制作会社のサイトや、検索結果で見かけたサイトも、その場で確認できます。
数字の良し悪しだけでなく、「なぜこの結果になっているのか」を見る意識で試してみてください。
ここまで読んでいただいた内容は、実際に測ってみるとより分かりやすくなります。
まずは ここの運営サイト をそのまま測定してみてください。
下のURLは編集できます。気になる制作会社や参考サイトがあれば、URLを貼り替えて測定してみてください。
数字だけでなく「なぜこの結果になっているか」まで見ると、判断が一気にラクになります。
長く運営されているサービスが持つ安心材料
昔から運営されている制作会社やサービスには、派手な演出がなくても、積み重ねてきた時間そのものが情報としてにじみ出ていることがあります。
たとえば、長く続いているサイトを見ていくと、次のような共通点が見えてきます。
- 情報が整理され、必要な内容に迷わずたどり着ける
- 数年前の記事や実績ページが残っており、更新の履歴が確認できる
- サービスの方針や考え方が、言葉としてきちんと書かれている
これは、デザインが新しいかどうかとは別の話です。
むしろ、流行に寄せすぎず、自分たちのやり方を続けてきた形跡が読み取れるサイトほど、安心材料が多いことがあります。
実際に長く運営されているサイトを見ると分かること
長年運営されている制作会社のサイトをいくつか見比べてみると、次のような点に気づくことがあります。
- トップページだけでなく、下層ページにも情報がきちんとある
- 「誰に、何を、どう提供しているのか」が文章で説明されている
- 料金や対応範囲について、曖昧な言い回しが少ない
これらは、短期間で作られたサービスサイトでは、なかなか揃いません。
時間をかけて運営してきたからこそ、削ぎ落とされ、整理されてきた情報とも言えます。
年数そのものより「続いている理由」に目を向ける
もちろん、運営年数が長ければ必ず安心、というわけではありません。
ただ、長く続いているサービスには、
- なぜ今も続いているのか
- どんな考え方で仕事をしてきたのか
そのヒントが、サイトの中に残っていることが多いです。
制作会社を選ぶときは、「何年やっているか」よりも、続いている理由が読み取れるかを意識して見てみると、判断しやすくなります。
見比べるときの小さなヒント
検索結果で見かけたサイトを、いくつか開いてみてください。
- 新しく作られたページだけでなく、過去の更新履歴も見てみる
- サービス紹介の文章が、誰に向けて書かれているかを感じ取る
- 不安になりそうな点について、先回りして説明されているかを見る
こうした視点で見ていくと、
「このサイトは、長く使われることを前提に作られているか」が、少しずつ分かってきます。
制作会社選びで大切なのは「比較できる状態」をつくること
制作会社を選ぶとき、一社だけを見て「ここにしよう」と決めてしまうよりも、複数のサイトを、同じ目線で見比べてみることが大切です。
比較することで、それぞれの特徴や考え方が、自然と浮かび上がってきます。
たとえば、次のような点は、並べて見るからこそ分かる部分です。
- 情報の出し方が整理されているか
- 説明が具体的で、読み手を置いていかないか
- 見積もりや料金について、分かりやすく書かれているか
どれか一つが完璧である必要はありませんが、「どういう姿勢で情報を伝えようとしているか」は、比較すると見えやすくなります。
判断を急がせる提案には、少し立ち止まる余白を
制作の相談をしていると、「今すぐ決めないと間に合わない」「この条件は今日まで」といった言葉をかけられることもあります。
もちろん、スケジュールの都合で急ぐ必要があるケースもあります。
ただ、理由や背景の説明がないまま判断を急がせる提案には、一度立ち止まって考える余白を持っても良いかもしれません。
考える時間が確保できるかどうかも、安心して進められるかを判断する材料の一つです。
比較するときは「正解探し」をしなくていい
制作会社選びは、「一番正しい会社」を探す作業ではありません。
- 自分の状況に合っているか
- 話が噛み合いそうか
- 不安な点を素直に聞けそうか
こうした感覚も含めて、比較していくことが大切です。
情報の見せ方や説明の仕方を見比べていくうちに、「ここなら安心して相談できそうだな」という感覚が、少しずつはっきりしてきます。
比較できる状態をつくることが、安心につながる
制作会社選びで不安が大きくなるのは、判断材料が少ないまま、決断を迫られるときです。
複数のサイトを見て、情報を整理し、説明を読み、納得できるかどうかを確かめる。
この比較できる状態をつくるだけでも、気持ちはかなり落ち着きます。
焦らず、落ち着いて選ぶこと。
それ自体が、失敗を避けるための大切なステップになります。
最後に:安心できる選び方とは
ホームページ制作会社を選ぶときは、
- 検索上位や広告だけで決めない
- 情報が開示されているかを見る
- 自分でも確かめられる材料があるか
- 納得できる説明があるか
こうした視点を持つだけで、見え方が大きく変わります。
私たち自身も、こうした考え方を大切にしながらサービスを続けています。
このページが、制作会社選びで迷ったときに、少し立ち止まって考えるきっかけになれば幸いです。
